今回は東京都中央区、隅田川に架かる「勝鬨橋」および沿岸域の勝どき地区「隅田川テラス」から遠望した東京タワー、その見え方の変遷の小記録です。以前は勝鬨橋から東京タワーが良く見えたのですが2010年代の終わり(2017~2018年頃)には勝鬨橋から見ると丁度東京タワー(港区芝公園)の手前側(港区浜松町)に高層ビルが建設され、以降勝鬨橋付近から眺めるとその大部分が隠される形になってしまいました。今回の写真はまだ築地に市場があった頃、勝鬨橋や勝どき沿岸から築地市場と東京タワーがセットで見られた頃の風景です。
勝鬨橋より東京タワー遠望 2018年 4月
2018年(平成30年)4月撮影。勝鬨橋の勝どき側アーチ手前付近より。支柱の彼方に東京タワーのオレンジ色の灯火。撮影時は浜松町付近の高層ビル工事はかなり進んで、東京タワー中央付近の大展望台の上まで隠れる高さになっていました。この後ビルはもう少し高くなり、最終的には東京タワー上部展望台の少し下あたりまで隠れるくらいになりました。
勝鬨橋より遠望 ビルの谷間の東京タワー 2018年 4月
2018年4月撮影。勝鬨橋の勝どき側アーチ内より。前写真より少し築地側に移動したポイントです。この地点からは建設中のビルと既存のもう一棟の間に挟まれるように見えました。
勝鬨橋より築地市場と東京タワー 2018年 4月
2018年4月撮影。東京タワーのオレンジ色の灯火の下に緑がかった(照明光源の影響)の建物群は築地市場の建物です。更に左手には環二通り「築地大橋」のアーチ型が見えます。この頃は築地大橋は未開通の頃で(2018年11月開通)道路照明は点いておらず、港区海岸・芝浦地区の高層ビル群の照明を背景にしたシルエットが浮かんでいます。築地市場が豊洲新市場(江東区)に移転する為閉場したのはこの撮影の半年後、2018年10月6日の事でした。
勝どき沿岸より 築地大橋と東京タワー 2017年 12月
2017年(平成29年)12月撮影。こちらは勝どき地区沿岸の隅田川テラスからの東京タワー遠望です。手前に横たわるのは築地大橋、前写真の5ヵ月前の撮影なので建設中のビルの高さも御覧の通りです。ちなみに築地大橋の奥に見える明かりのあたりが築地市場の南端で、築地大橋は市場南側の敷地内に設置されました。荷役の為でしょう、オレンジ色の船がその南端岸壁に接舷しているのが見えます。
築地市場と東京タワー 2017年 12月
2017年12月撮影。前写真は築地大橋側に寄ったポイントからで、こちらは勝鬨橋側に寄ったポイントからの撮影です。いかにも活気に満ちていそうな煌々とした築地市場と東京タワー。この地点から見ると丁度東京タワーの手前に建設中のビルが見えます。築地市場の隅田川寄りのエリアは日本一の取扱量を誇った水産物市場、緑がかって見える建屋群は築地市場西側にあった製氷・冷蔵庫棟群です。生鮮物を冷蔵する巨大な冷蔵庫です。ちなみにこの2017年12月は移転を控えた築地市場の最期の年末でした。
築地市場と東京タワー 2015年 11月
2015年(平成27年)11月撮影。工事前の風景です。この頃は東京タワー中央の大展望台の下あたりまで見えました。夜になるとタワーや築地市場、時折やってくる屋形船の照明で隅田の川面も賑々しく映えていたものでした。ちなみに東京タワー右手、築地市場背後に見える高層ビル群は港区東新橋地区(汐留エリア)のビル群です。
築地市場と東京タワー 2010年 11月
2010年(平成22年)11月撮影。輸送船が接舷する築地市場の岸壁と彼方に見える東京タワー、そして隅田川河口方面まで広く見渡した眺望。この頃はまだ築地大橋はなく、勝鬨橋が隅田川の最も河口側の橋でした。左奥の明るい沿岸部は竹芝埠頭(竹芝桟橋、港区海岸一丁目)、丁度隅田川が東京湾に注ぐあたりです。築地市場の岸壁は右手から画面中央左にかけて明るく見えます。ちなみに岸壁に接舷した船から冷凍マグロ等を荷揚げしていたそうです。今となっては懐かしい風景です。
勝鬨橋より東京タワー遠望 2008年 11月
2008年(平成20年)11月撮影。今回一枚目の写真と同じ地点です。かつては勝鬨橋から良く見えた東京タワーの夜景です。
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